ストレスフリーの資産運用

資産運用コンサルタント林敬一のブログです。

トランプの暴挙を止めるには

 グリーンランドを所有するデンマークの首相がトランプと会談するとのことですが、私はトランプと交渉などせず無視するのが一番良い方策だと思っています。

 

 トランプのディールは相手が自分より弱いとみれば問答無用で、一つを得るためには2倍の要求を出し、一つ譲歩したように見せかけ、結局すべてを得るやり方です。彼はディールが得意なのですから、得意技を封じるのが一番で、それには無視する以外ありません。

 

 トランプはグリーンランド問題に二の手を出しました。住民一人一人に10万ドル程度を分配するという買収手段です。人はカネで動かせるというのがトランプ哲学ですが、彼が買収に動いた不動産の大半はあとでいちゃもんを付けてディスカウントしているので、全く信用などできません。グリーンランドのみなさん、その手に乗ってはいけませんよ!

 

 そして、カネだけでは屈服しない相手だと強硬手段に出ます。例えばNYの59丁目と6番街の角、セントラルパークに面した一等地にトランプ・パークというコンドミニアムがあります。その昔JALが買収して経営していたエセックスハウスというホテルの東隣です。80年代の終わり、そこを買収するにあたって元々アパートに住んでいた住人を立ち退かせるために、電気・水道などのインフラを止め、年寄りの金持ちたちを脅迫し、まんまと成功しました。

 私の大学時代の友人で一緒にJALに入社し、その後JALを辞めて不動産業を親から引き継いだ友人がそのコンドミニアムの一室を買いました。2ベッドルームで当時のドル建てだと60万ドル、円だと約9千万円でした。それが今は5倍の3百万ドル、4憶6千万円程度になっていて、投資としては大成功です。

 

 90年代になりトランプお気に入りのフロリダにあるマルアラーゴの元の所有者から屋敷を買収する時、いやがる女性の所有者に対して、屋敷から見える海側に土地を買収し、高い建物を建てて眺望を妨害して価値を下げ、売り手の希望価格を半分程度まで下げさせ買収した経緯があります。しょせんトランプの不動産王とはこうした脅迫と詐欺まがいのやり方で訴訟をものともぜずに悪辣な手を使って成り上がったのです。

 

 こうした悪辣な手を尽くすのがトランプ流です。彼自身とトランプオーガニゼーションが抱える訴訟の数は前回の大統領就任時に約4千件、その後も増え続け、今回の就任以降の1年でもすでに数百件に及んでいます。

 

 さて、デンマークに戻ります。

デンマーク王国は、デンマーク本土グリーンランドフェロー諸島の3つで構成されています。グリーンランドフェロー諸島は広範な自治権を持つ自治領です。デンマーク王国は、これらの3つの地域が対等な立場で形成する立憲君主制国家で、外交と司法はデンマーク本土が担っていますが、グリーンランドフェロー諸島は独自の政府と議会を持ち、内政の大部分を自律的に運営しています。 

 

 それを得るためにトランプは最初に軍事侵攻を示唆しましたが、これは1を得るための100倍のブラッフをかける、度を超えたやり口です。さすがにそれをトランプの周囲は火消ししてはいますが、火種は残らざるを得ません。こうしたやり口は彼が不動産王に成り上がったころから変わりありません。

 

 私がニューヨークに転勤した1987年当時に彼は不動産王としての地位を確立し、「アート・オブ・ザ・ディール」という本を出版しました。私はその時期にNYに転勤し、本を読みました。その本はトニー・シュワルツという伝記作家との共著と表示されていますが、実際に書いたのはトニー・シュワルツだけで、トニーは2016年になってニューヨーカー誌で真実を暴露。「あんな本を書いたのは間違いだった。実際よりも魅力的な人物に描いてしまった」と後悔し、「もう一度書き直せるならば本のタイトルは「反社会的行為者」となるだろうと言っています。「反社」の称号をトランプに与えました。その「反社」を誰かさんは霞ヶ関ゴルフ場に招いて一緒にプレーしましたね。

 

 私はトランプの本を読んだ87年には真っ赤なウソまで書いてあるとはつゆ知らず、内容のほとんどを信じて、たいしたやつだと思ってしまいました。もちろんその後に真実のトランプを知るに至って、ほとんどが嘘で固めていることを知りました。

 

 ベネズエラへ侵攻し、グリーンランドに手を伸ばし、さらに国連の下部組織である世界的な組織66機関から手を引くと宣言するトランプですが、世界秩序の破壊者に対抗して、とりあえず以下の手段を実行するべきだ提案します。

 

1.直近のサッカー・ワールドカップアメリカ・カナダ・メキシコの3カ国共同開催地からアメリカを除外して、かつアメリカチームは参加させない

2.次のオリンピック、ロスアンゼルス大会をボイコットする。ソ連時代に世界はアフガニスタン侵攻に対して、ボイコットで対抗した実績があります。もし選手たちのために中止しないのであれば、東京などが手を挙げてアメリカ以外の場所に変更する

  まあ、各国の首脳陣はトランプに本気で恥をかかせるのをためらうでしょうから、そこまでやる勇気はないでしょう。しかしこのまま放っておけば、もっと大変なことになりかねないので、ある程度インパクトのある制裁措置は実施すべきだというのが私の意見です。